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寝取らせ

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寝取られが「奪われる」立場に焦点を当てる嗜好だとすれば、寝取らせは「奪わせる」当事者の能動性に焦点を当てる派生概念である。

寝取らせ(ねとらせ、英: cuckolding、サブカル略号: NTS)とは、自身の配偶者・恋人など親密な関係にあるパートナーを、自らの意志のもとで他者と関係させ、それに性的興奮を覚える嗜好を指す日本語の概念である。寝取られ(NTR)の能動的・自発的形態として、2000 年代以降のサブカル空間において独立したジャンルとして概念化が進んだ。

概要

寝取らせは、寝取られと多くの心理的要素を共有しつつ、当事者の能動性において根本的に異なる位置にある。寝取られでは、配偶者の不貞・他者との関係が当人の意志に反して生じる(あるいは生じたと描かれる)のに対し、寝取らせでは当人の積極的な誘導・許諾・促しのもとで配偶者と他者の関係が成立する。

英語圏には類似概念として cuckolding / hotwife 文化が存在し、寝取らせ嗜好と深い対応関係にある。Hotwife は配偶者の他者との関係を当人(夫)が促し・許可・鑑賞する文化形態を指し、欧米のスウィンガー文化・性的嗜好コミュニティで独自の発展を遂げてきた。

成人向け表現分野では、寝取らせは AV・同人誌・成人向けゲームの各分野で独立したジャンル区分・物語類型を形成している。実写 AV における「寝取らせ」表記、同人誌の専門ジャンルタグ、成人向けゲームの選択肢分岐などを通じて、嗜好の様式化が進んでいる。

語源

「寝取らせ」は、動詞「寝取る」(配偶者・恋人を他者から奪うこと)に使役の助動詞「せる/させる」を付した語形である。「他者に寝取らせる」、すなわち「他者をして配偶者を奪わせる」という能動的・使役的意味を担う。「寝取られ」(受動)、「寝取り」(能動的に奪う)、「寝取らせ」(使役)の三項関係を成す。

サブカル空間における略号として「NTS」(寝取らせ)が用いられ、「NTR」(寝取られ)、「NTI」(寝取り)と対比される。三項の略号体系は 2000 年代後半以降の同人誌即売会・サブカル雑誌における精密化の所産である。

英語 cuckolding は古フランス語 cucu(cuckoo、カッコウ)に由来する語幹を持ち、他鳥の巣に卵を産み付けるカッコウの習性から「妻の不貞を許容する夫」を意味する古英語以来の語彙である。20 世紀後半以降の性的嗜好コミュニティにおいて、能動的・嗜好的な意味付けを獲得した。

歴史と展開

寝取られとの分化

寝取られ概念が 2000 年代前半に成人向けゲーム・同人誌領域で確立した後、その能動的形態として寝取らせが派生概念として可視化された。当初は寝取られの一変種として扱われていたが、2000 年代後半以降、嗜好構造の根本的差異(被害者性 vs 主体性)を踏まえた独立ジャンルとしての分節化が進んだ。

具体的な分節化の節目として、成人向けゲームにおける選択肢分岐(寝取られルートと寝取らせルートの分岐)、同人誌即売会のジャンル区分の細分化、AV 配信プラットフォームのタグ体系の精密化が指摘される。2010 年代に入ると、寝取らせは寝取られとは独立したサブジャンルとして安定的に運用されるようになった。

英語圏 cuckold / hotwife 文化との対応

英語圏のスウィンガー文化・性的嗜好コミュニティにおける cuckolding / hotwife 文化は、20 世紀後半以降の独自の発展を遂げており、専門誌・コミュニティサイト・専用イベント等のインフラを伴う。日本のサブカル領域における寝取らせ概念は、これらの英語圏文化と部分的に並行しつつ、漫画・ゲーム・同人誌というメディア依存性の高い独自の発展を遂げた点に特徴がある。

両者の交流は 2000 年代後半以降の英語圏オタク文化を経由して活発化した。日本のサブカル発の寝取らせ作品が英訳・翻訳され、英語圏の cuckold コミュニティで受容される事例が継続的に確認される一方、英語圏の hotwife 表現が日本のサブカル空間に逆輸入される現象も観察されている。

物語類型としての確立

寝取らせは単なる嗜好概念に留まらず、物語類型としても独自の発展を遂げている。「夫が妻を他者と関係させ、その様子を観察・鑑賞する」「妻の他者との関係を夫が誘導する」「事後の報告を夫が受け、それに性的興奮を覚える」など、複数の物語パターンが定型として確立している。

同人誌・成人向けゲーム領域では、寝取らせは関係性の三角構造(夫-妻-第三者)を物語の中核に据える形式として、ロマンス系・関係性系の作品で広く運用される。物語的緊張、心理的葛藤、関係性の変容を物語要素として組み込む表現様式は、ジャンル特有の文学的可能性を示す。

派生形態

観察型

配偶者と他者の関係を視覚的に観察し、それに性的興奮を覚える形式。場に同席する形式、別室から鑑賞する形式、事後映像として鑑賞する形式など、複数の様式が並立する。AV ジャンル区分の中核形態の一つを成す。

誘導型

配偶者を他者と関係させるよう積極的に誘導・促進する形式。誘導の心理的動機(嫉妬の昇華、配偶者の喜びを願う心情、関係性のスリルへの志向など)が物語的に描かれる事例が多い。

報告受領型

配偶者と他者の関係を事後の報告として受け取り、それに性的興奮を覚える形式。直接的観察を伴わない場合の派生形態として、同人誌・成人向け小説で広く運用される。

並列概念との関係

寝取られは受動・被害者性、寝取りは能動・侵奪者性、寝取らせは使役・主導性という、それぞれ異なる位置を占める。三項の構造的関係を理解することは、現代日本のサブカル空間における関係性嗜好を整理するための鍵となる。

受容心理

寝取らせ嗜好の心理的背景について、複数の説明枠組が並存する。所有・占有の論理を逆転させた心理的快楽、配偶者の主体性・喜びへの志向、関係性のスリル・緊張への志向、自己同一化の対象転換(他者を介した代理体験)など、いずれも単独では網羅的説明とならない要出典

寝取らせは寝取られと共有する心理的要素を多く持ちつつ、能動性・主体性において根本的に異なる嗜好構造を持つ。両者を混同せずに区別して扱うことが、サブカル批評・嗜好論の精緻化に必要とされる。

倫理的論点としては、現実の関係性における当事者全員の自由意志・合意の確保が、寝取らせ実践の絶対条件として強調される。フィクションにおける寝取らせ表現と、現実の関係性における実践とは別個の領域として扱われ、後者については当事者の徹底的な合意プロセスと心理的安全性の確保が前提となる。

関連項目

参考文献

  1. 『性的嗜好の現代史』 三和出版 (2014)
  2. 『Cuckold Culture and Modern Sexuality』 Routledge (2018)
  3. 『AV ジャンル史』 コアマガジン (2012)
  4. 『同人誌ジャンル研究』 三才ブックス (2016)

別名

  • NTS
  • cuckolding
  • hotwife
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