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分類法律・社会 別名風営法 / 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 / 風適法 用例風営法に従って店を開いた」 風営法改正でクラブが摘発された」 用法名詞・動詞 ▸ 累計 PV

風営法とは、1948 年制定の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の通称であり、戦後日本における風俗営業全般の規制を担う基本法である。

風営法(ふうえいほう)は、1948 年(昭和 23 年)に制定された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(法律第 122 号)の通称である。当初は「風俗営業取締法」として制定され、その後数次の改正を経て現在の名称・構造となった。性風俗業を含む各種風俗営業の許可制・規制を定め、戦後日本の夜間営業・娯楽産業全般に対する基本法として機能している。本項では立法史、規制対象、改正経緯、現代の運用を扱う。

概要

風営法は、当該法に列挙される「風俗営業」「特定遊興飲食店営業」「店舗型性風俗特殊営業」「無店舗型性風俗特殊営業」「映像送信型性風俗特殊営業」「店舗型電話異性紹介営業」「無店舗型電話異性紹介営業」を規制する。風俗営業の許可制、営業時間・地域の規制、営業者の遵守事項、青少年の保護、業務の適正化などを規定する。

監督官庁は警察庁および各都道府県公安委員会であり、許可制度の運用、営業者の取締り、業界指導などを担当する。法令違反に対する処分(営業停止・取消し・刑事罰)を通じて、業界全体への実効的規制が図られる構造となっている。

立法史

1948 年制定

風営法の前身は、1948 年 7 月 10 日に制定された「風俗営業取締法」(法律第 122 号)である。当該法は、戦後混乱期における風俗営業の規制を目的として制定された。当時の規制対象は、料理店、カフェー、待合、麻雀屋、玉突場、舞踏場(ダンスホール)など、戦前から存在した風俗営業の継続的取締りを主としていた。

戦時中の警察行政による風俗取締りの体系を、占領期の民主化政策の枠組みに整合させる形で再構築する立法として、当該法は機能した。

1984 年改正: 風適法へ

1984 年 8 月、風俗営業取締法は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称・風適法)へと全面改正され、1985 年 2 月に施行された。当該改正は、性風俗産業の急激な拡大、青少年保護の社会的要請の高まり、暴力団排除の必要性などを背景とする抜本改正であった。

改正により、性風俗特殊営業のカテゴリが新設され、それまで個別の取締りに留まっていたソープランドストリップ等の業態が体系的に規制対象となった。また、「適正化」の語が法名に加わったことが象徴するように、単純な取締りから業界の質的向上を目指す方向への政策転換が示された。

1998 年改正: 無店舗型・映像送信型の追加

1998 年改正により、無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル)、映像送信型性風俗特殊営業(アダルトインターネット配信)、店舗型・無店舗型電話異性紹介営業などが、新たな規制対象として追加された。これは、テレフォンクラブ、デリヘル、アダルトインターネット配信などの新業態の出現に対応する改正であった。

2015 年改正: ダンス規制の見直し

2015 年改正(2016 年 6 月施行)により、深夜のダンスクラブ営業に対する規制が大幅に緩和された。それ以前の風営法は、客にダンスをさせる営業を風俗営業の一類型として扱い、深夜営業を禁じていたが、2015 年改正により「特定遊興飲食店営業」のカテゴリが新設され、一定要件下での深夜営業が許容されるようになった。

これは、東京・大阪を中心とする 2010 年代のダンスクラブ取締り強化に対する社会的反発(「Let’s DANCE」署名運動等)を背景とする改正であり、ナイトタイムエコノミー振興政策との接続点を持つ立法であった。

規制対象の分類

風俗営業(1 号〜10 号)

第 2 条 1 項に列挙される「風俗営業」は、現在 5 区分(従来の 8 号区分から再編)に整理されている。

  • 1 号: 料理店、社交飲食店等(キャバレー、ナイトクラブ等)
  • 2 号: 低照度飲食店
  • 3 号: 区画席飲食店
  • 4 号: 遊技場(麻雀屋、パチンコ屋、ゲームセンター等)
  • 5 号: ぱちんこ屋等

これらは性的サービスを直接的に提供する業態ではないが、「風俗」の語の広い意味において、夜間営業・娯楽営業として規制対象となる。

性風俗特殊営業

性的サービスを直接的に提供する業態は、「性風俗特殊営業」として別途分類される。

  • 店舗型性風俗特殊営業: ソープランド、ファッションヘルス、エステ、ストリップ劇場、AV ショップ等
  • 無店舗型性風俗特殊営業: デリヘル、出張ヘルス、宅配ヘルス等
  • 映像送信型性風俗特殊営業: アダルトインターネット配信、有料アダルトサイト等
  • 店舗型電話異性紹介営業: テレフォンクラブ等
  • 無店舗型電話異性紹介営業: ツーショットダイヤル等

これらの業態は、許可制ではなく届出制(都道府県公安委員会への届出)により営業が可能となるが、営業地域・営業時間・営業内容に関する厳格な規制を受ける。

主要規制内容

営業地域の規制

風営法および都道府県条例により、各業態の営業可能地域は厳格に制限される。商業地域・近隣商業地域などへの集中、保全対象施設(学校・病院・図書館・児童福祉施設)からの距離規制(概ね 100m 〜 200m 以内での営業禁止)などが定められる。

これは性風俗業の地理的ゾーニングを実効化する制度であり、青少年保護・地域住民の生活環境保全を目的とする。

営業時間の規制

各業態に応じて、営業可能時間が規制される。風俗営業 1 号(キャバレー等)は深夜 0 時または 1 時までの営業が原則であり、性風俗特殊営業についても、業態ごとに細かな時間規制が課される。

青少年の保護

18 歳未満の者の客としての立ち入り、雇用、客同伴を禁止する規定が、各業態に共通して定められている。違反に対する罰則は厳格であり、業界全体の青少年保護体制の根幹を成す規定である。

暴力団排除

2007 年改正により、暴力団員等が風俗営業の経営に関与することを排除する規定が強化された。これは社会全体の暴力団排除政策との接続点であり、風俗業界の健全化に一定の効果を発揮したとされる。

現代の論点

ナイトタイムエコノミー

2010 年代以降、観光・産業振興の観点から、夜間営業の活性化(ナイトタイムエコノミー)を支持する政策論が活発化した。2015 年改正によるダンス規制緩和は、その一環として位置づけられる。一方、地域住民の生活環境・治安への影響、青少年保護の観点からは、規制緩和に対する慎重論も継続的に提示されている。

性風俗業の労働環境

性風俗業に従事する労働者の労働条件・社会保障・人権保護は、風営法の枠組みでは限定的にしか扱われていない。性労働者の権利保護を労働法制の側から強化する議論が、近年継続的に提起されている。

表現規制との接続

映像送信型性風俗特殊営業に関する規制は、表現の自由との緊張関係を持つ。インターネット上の性表現に対する規制の正当性・限界をめぐる議論は、風営法・刑法 175 条・各種条例の間の適用関係をめぐる現代的論点を形成している。

関連項目

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参考文献

  1. 『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』 法律 第122号 (1948)
  2. 宮田量平 『風営法―営業の許可と取締り』 立花書房 (2018)
  3. 毛利透 『風俗営業の規制と表現の自由』 有斐閣 (2008)
  4. 今村順 『ナイトタイムエコノミーの政策展開』 学芸出版社 (2018)
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