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ビジュアルノベル

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分類エロ作品 用例「週末は一気にビジュアルノベルを読み終えた」 「彼女ルートを目当てに何度も周回した」 用法名詞・動詞 最終更新 ▸ 累計 PV

夜中に PC の前で延々とテキストを送り続け、立ち絵が切り替わるたびに登場人物の細かい表情変化を読み取る。BGM が場面ごとに切り替わり、ヒロインのボイスが耳元で囁く。映画でも小説でもマンガでもない、画面とテキストとサウンドが密に結合した独自の物語体験がそこにある。

ビジュアルノベル(visual novel、略号 VN、ノベルゲームとも)とは、画面に表示されるテキスト、キャラクターの立ち絵、背景画像、BGM、ボイスを組み合わせて物語を進める日本発祥のゲームジャンルの総称である。本項では 1992 年の『弟切草』『同級生』に淵源を持つ系譜、エロゲ市場との重層、Key・TYPE-MOON 等による文学的拡張、そして海外への波及を扱う。

概要

ビジュアルノベルの基本構成は次の四要素である。(1) 画面の背景を成す風景・室内画像、(2) 中景に配置されるキャラクター立ち絵(表情・ポーズが場面ごとに切り替わる)、(3) 画面下部または全画面に展開されるテキストウィンドウ、(4) BGM と効果音、ならびに(オプションで)キャラクターボイス。

プレイヤーの操作は、(1) テキストの送り(クリックまたは Enter で次行へ)、(2) 選択肢分岐での選択、(3) セーブ・ロード・既読スキップ等のシステム操作、に限定される。アクション・パズル・戦闘等の介入要素は原則として存在せず、「読む」「選ぶ」が体験の中心となる。

このジャンルは、性的主題を扱うエロゲ市場と、性的主題を扱わない一般向け作品市場の双方にまたがって発達した。本項では両者を含む形式概念として扱う。

語源

「visual novel」は和製英語であり、英語圏では当初一般語ではなかった。日本のメーカー Leaf が 1996 年の『雫』『痕』、1997 年の『To Heart』をパッケージや広告で「ビジュアルノベル(Visual Novel)」と銘打って発表したのが、ジャンル名としての確立期とされる要出典。同時期にチュンソフトが『弟切草』(1992)、『かまいたちの夜』(1994)を「サウンドノベル」として展開していたため、初期には「サウンドノベル」「ビジュアルノベル」「ノベルゲーム」が並存・競合していた。

2000 年代以降、海外のファン翻訳・配信プラットフォーム(Steam、VNDB)を通じて「visual novel」が国際的なジャンル名として定着した。現在は日本国内でも「ビジュアルノベル」「ノベルゲーム」が広義同義に用いられる。

歴史

前史:アドベンチャーゲーム(1981–1991)

1981 年のシエラオンライン『Mystery House』、1983 年のエニックス『ポートピア連続殺人事件』(堀井雄二)等が、テキスト主体のアドベンチャーゲームの先駆である。これらは画面に絵と文字、コマンド入力(または選択)で進行する形式で、現在のビジュアルノベルの直接の前史を成す。

PC-8801・PC-9801 等の日本国産パソコン市場では、1980 年代後半から 1990 年代前半にかけて、テキスト中心のアドベンチャーゲームが多数発売された。1992 年 12 月 17 日発売のエルフ『同級生』は、当時のアダルトアドベンチャーの主流であった「性描写中心」から「夏休み恋愛シミュレーション」へと方向を転換した代表作で、後のエロゲ・恋愛アドベンチャーの雛形を確立した。

サウンドノベル期(1992–1996)

1992 年 3 月 7 日発売のチュンソフト『弟切草』(スーパーファミコン)は、画面全体を覆うテキストと背景画像、BGM・効果音を組み合わせる形式で「サウンドノベル」を標榜した。マルチエンディング方式と推理・ホラー風味を組み合わせ、家庭用ゲーム機におけるテキスト主体ゲームの一形態を確立した。

1994 年の同社『かまいたちの夜』は、長野・白馬を舞台にしたミステリー仕立てのサウンドノベルとしてヒットし、シリーズ化された。これらは性的主題を扱わない一般向け家庭用ゲーム機作品として、ビジュアルノベル形式の認知を一般家庭に広げた。

ビジュアルノベル期(1996–2000)

1996 年 1 月発売の Leaf『雫』、同年 7 月の『痕』、1997 年 5 月の『To Heart』が、PC エロゲ市場における「ビジュアルノベル」概念を確立した。Leaf はパッケージに「ビジュアルノベル」のロゴを大書し、画面全体を覆うテキストウィンドウとキャラクター立ち絵の組み合わせをジャンル形式として提示した。

『To Heart』は穏やかな日常描写と複数ヒロインルートを擁し、エロゲでありながら泣ける感動シナリオを売りにする「泣きゲー」ジャンルの先駆ともなった。同時期の elf『下級生』(1996)、TGL『リフレインブルー』(1996)、F&C『Pia キャロットへようこそ!!』シリーズ(1996〜)等が PC エロゲ市場の中核を占めた。

Key・TYPE-MOON 期(1998–2010)

Visual Art’s 傘下の Key は、1999 年『Kanon』、2000 年『AIR』、2004 年『CLANNAD』を連続リリースし、エロゲでありながら強い物語性・感動性を擁する「泣きゲー」「鍵ゲー」と呼ばれる作風を確立した。シナリオライターの麻枝准、原画家の樋上いたるらが、後のビジュアルノベル作家像のスタンダードを作った。

同人サークル発の TYPE-MOON は、2000 年同人版『月姫』、2004 年商業版『Fate/stay night』で、伝奇・バトル要素を組み込んだ重厚なビジュアルノベルを世に出した。『Fate』はその後アニメ・ソーシャルゲーム『Fate/Grand Order』(2015)へと展開し、ビジュアルノベル発の世界規模 IP となった。

拡散期(2010–現在)

2010 年代以降、ビジュアルノベルの主戦場はパッケージ PC 市場からダウンロード販売・スマホアプリ・Steam・同人ゲーム市場へと拡散した。商業 PC エロゲ市場は出荷規模で縮小したが、Steam・itch.io 等の海外プラットフォームを経由した一般向け VN(『DDLC』『Steins;Gate』英語版等)が新たな受容層を開拓している。

国内では、抜きゲーに特化した低価格 VN、長時間プレイ向けの高単価作品、ブラウザ・スマホ向けの短編 VN 等、市場の細分化が進行している。

表現様式

ビジュアルノベルの典型的シナリオは、共通ルート(主人公とヒロイン全員が登場する序盤)、選択肢分岐(行動の選び方でルート分岐)、個別ヒロインルート、エンディングという段階構成を取る。プレイ時間は 10〜80 時間と幅広く、長編作品では複数のシナリオライターが分担執筆する場合もある。

立ち絵・背景・BGM・ボイスの統合は、シナリオ・原画・音楽・声優・プログラムの分業体制で制作される。原画家の作風がブランドの識別記号となり、樋上いたる(Key)、武内崇(TYPE-MOON)、深崎暮人(オーガスト)、いとうのいぢ(角川スニーカー)等、ファンが特定原画家を追って作品を選ぶ消費構造が形成された。

エロゲ市場との関係

ビジュアルノベルは形式概念であり、性的主題の有無とは独立である。しかし日本においては、商業 PC ゲーム市場がエロゲを中核として発達したため、形式としてのビジュアルノベルの主要な担い手は長らくエロゲメーカーであった。Key の作品群は性描写を含むエロゲとして発売された後、性描写を除いた家庭用ゲーム機・スマホ移植版が広く流通する形を取った。

抜きゲーはビジュアルノベル形式の中で、性描写を中心的に消費する低時間・高密度型の作品群を指す業界用語である。詳細は抜きゲーの項を参照。

海外受容

2000 年代後半以降、英語ファン翻訳プロジェクト(『Tsukihime』『Fate/stay night』英訳)を経由して、ビジュアルノベルは海外オタク文化に浸透した。2010 年代に入ると Steam が一般向け VN の正規流通プラットフォームとして機能し、『Steins;Gate』『CLANNAD』『DDLC』等が英語圏で評判を呼んだ。

海外発のビジュアルノベル(米国 Christine Love『Digital: A Love Story』、カナダ Team Salvato『Doki Doki Literature Club!』等)も登場し、日本発のジャンルが国際的形式概念へと拡張する過程が進行している。

文化的言及

ビジュアルノベルは、サブカルチャー研究・ゲーム研究の主要対象となってきた。更科修一郎ほか『美少女ゲームの臨界点』(波状言論、2004)はゼロ年代の美少女ゲーム批評の到達点であり、Saito, Tamaki『Beautiful Fighting Girl』(2011)は精神分析的視点からのキャラクター分析である。中川大地『コンピュータゲームの神話学』(PLANETS、2016)はビジュアルノベルを含む日本ゲーム史の総合的記述を提示している。

ビジュアルノベルは、テキスト・画像・音響を統合した独自の物語形式として、現代日本のサブカルチャーの一中心を成し続けている。

関連項目

参考文献

  1. 『弟切草 (ゲーム)』 Wikipedia 日本語版 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%9F%E5%88%87%E8%8D%89_(%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0)
  2. 更科修一郎ほか 『美少女ゲームの臨界点』 波状言論 (2004)
  3. Saito, Tamaki 『Beautiful Fighting Girl』 University of Minnesota Press (2011)
  4. 中川大地 『コンピュータゲームの神話学』 PLANETS (2016)
  5. 佐々木智広 『ノベルゲームのシナリオ作成・基礎メソッド』 秀和システム (2005)

別名

  • visual novel
  • VN
  • ノベルゲーム
  • サウンドノベル
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