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SMクラブ

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分類風俗・業界 用例SMクラブの女王様に調教を依頼する」 SMクラブはダンジョン型と派遣型に大別される」 用法名詞・動詞 最終更新 ▸ 累計 PV

赤い照明、革張りのベンチ、壁に並ぶ鞭と縄。雑居ビルの一室に組まれた密室は、合意のもとに支配と服従を演じる劇場として機能する。痛みと快楽、命令と服従、その境界線を慎重に管理する専門業態が、SMクラブである。

SMクラブ(えすえむくらぶ)とは、SM・BDSM(Bondage, Discipline, Dominance, Submission, Sadism, Masochism)を主たるサービス内容とする日本の風俗業態を指す総称である。一般のファッションヘルスやデリヘル等が口腔系・手淫系を中心に据えるのに対し、SMクラブは緊縛調教・拘束・打擲・蝋燭・浣腸等のSM技法を中核サービスとし、専用設備を備えた個室で提供する点に独自性を持つ。本項では、業態の成立由来、店舗形態の類型、女王様・M嬢・M男嬢の役割分担、料金体系、雑誌・AV媒体との連動、海外BDSMダンジョン文化との対応関係、業界の縮小と現代の状況、SSC/RACK等の安全規範の浸透を扱う。

概要

SMクラブの基本サービスは、(1) 客が来店または出張先で予約を行い、(2) 店舗に在籍する女王様(Mistress、女性ドミナント)、M嬢(女性サブミッシブ)、M男嬢(男性サブミッシブ)、稀に男性ドミナント等の役割キャストを指名し、(3) 専用個室(SMルーム、ダンジョン)または出張先のホテル等で、所定時間にわたりSMプレイを受ける、という形態を取る。提供時間は60分から180分が標準で、料金は地域・店舗ランク・キャストの指名料により大きく変動する。

風営法上は、店舗型のSMクラブは「店舗型性風俗特殊営業」(同法2条6項)、出張型は「無店舗型性風俗特殊営業」(同法2条7項)に分類され、各都道府県公安委員会への届出制の下で運営される。性交(本番)行為は法令上も業界の建前としても禁止されており、SMクラブは口腔系サービスをも含まない「ノー本番・ノーフェラ」を建前とする店舗が他業態より相対的に多い。提供役務の中核は身体接触を伴うSMプレイであり、性器接触の有無を業態の同一性条件としない点に特徴がある。

サービス提供に際しては、プレイ前のカウンセリング(プレイ希望内容、健康状態、可否のヒアリング)、セーフワードの設定、終了後のアフターケアといった手順が、業界の慣用的プロトコルとして成立している。これらは英語圏BDSMコミュニティで定式化された安全規範に由来し、業界誌・SM専門メディアを通じて日本のSMクラブ業界に1990年代以降に浸透した。

語源

「SMクラブ」は和製英語で、「SM」(サディズム・マゾヒズムの頭文字)と「クラブ(club)」を組み合わせた業態呼称である。「クラブ」の語選択は、1970年代までの会員制社交場・キャバレーに由来する語感を踏襲し、不特定客を相手とする「ヘルス」「サロン」等とは異なる、特定嗜好者向けの専門場という業界内の自己定義を反映している要出典

英語圏で対応する業態語はBDSM dungeon(BDSMダンジョン)、またはSM clubであり、特に米国・ドイツではprofessional dominatrix(プロドミナトリックス)が独立した職業概念として確立している。日本語の「SMクラブ」は、これらの海外業態と部分的に対応しつつ、日本独自の「女王様・M嬢同店在籍」「派遣型」「会員制を建前とする届出型」等の慣用を含む業態名として固有性を持つ。

歴史

前史:戦後SM文化と地下サークル(1947-1979)

日本のSMクラブの直接的源流は、戦後SM文化の形成期に求められる。1947年創刊の『奇譚クラブ』(曙書房)、1952年創刊の『裏窓』、1968年創刊の『SMキング』等のSM専門誌は、読者投稿・誌上交流欄を通じて、同好者の私的サークルの形成を促した。1960-70年代には、こうした読者交流から派生した会員制のSMサロン・SMバーが、東京・大阪等の繁華街に少数ながら存在した。これらは公式の風俗届出を行わない地下営業の形態が大半で、業界統計上の把握は困難である要出典

1970年代以降、日活ロマンポルノにおける『花と蛇』(1974年、谷ナオミ主演)等のSM映画の興行的成功により、SM表現が一般成人映画市場に進出した。これに伴い、SMをテーマとする風俗業態への需要が顕在化し、店舗営業として表立った形での展開の素地が形成された。

確立期:風営法改正と業態整理(1985-1989)

1985年2月の風営法大改正は、それまで法の隙間で営業していた個室型風俗業態を「店舗型性風俗特殊営業」として法制度上明記し、届出制の対象とした。この改正により、SMをサービス内容とする個室型店舗は、ファッションヘルス等と同等の業態区分の下で届出を行いうる地位を得た。

同時期、SM専門月刊誌『SMスピリッツ』(東京三世社、1982年創刊)が業界誌としての地位を確立し、同誌の店舗紹介欄・広告欄が、SMクラブの集客と業界情報流通の主要媒体となった。『SMスピリッツ』は、団鬼六、沼正三らの小説・連載と並んで、店舗紹介・女王様インタビュー・読者投稿を編集の柱とし、業界の象徴的媒体として2014年の休刊まで機能した。

1980年代後半は、SMをサービス内容とする店舗型業態が、業界用語の「SMクラブ」名のもとに整理された時期にあたる。東京の歌舞伎町・池袋・五反田、大阪の梅田・京橋等に、ダンジョン型のSMクラブ店舗が複数開業した。

全盛期:1990年代

1990年代は日本のSMクラブ業態の全盛期にあたる。バブル景気の余波と1985年法改正の整備効果が重なり、全国の主要都市でSMクラブが急速に展開した。この時期の業界的特徴として、以下の四点が挙げられる:

  • 第一に、店舗の専門化と高級化。キャスト数十名規模の大型店、設備投資数千万円規模のダンジョン型店舗が登場し、専属女王様(Mistress)を看板とする店舗ブランドが形成された。
  • 第二に、AVとの連動。1990年代のSM AVの量産化に伴い、SMクラブ在籍の女王様がAV女優としてデビューする事例が増加し、店舗集客とAV市場が相互強化的に機能した。代表例として黒木香(松坂季実子等のSM系AV女優の系譜と並び、女王様タレントが業界を彩った)。
  • 第三に、雑誌『SMスピリッツ』を中心とする業界メディアの拡張。同誌は1990年代に発行部数のピークを迎え、業界誌として店舗紹介・読者交流・SM文化評論を一体的に提供した。
  • 第四に、海外BDSMダンジョン文化の輸入。米国・ドイツのプロドミナトリックス文化、英国の革ファッション、フランスのフェティッシュ・パーティー等の影響が、業界誌・専門書経由で日本のSMクラブに導入された。

縮小期:2000年代以降

2000年代以降、SMクラブ業態は緩やかな縮小基調に入る。背景として、(1) デリヘル等の派遣型業態の主流化に伴う店舗型風俗全体の構造的縮小、(2) 2005年風営法改正による店舗型性風俗特殊営業の地理的規制強化、(3) インターネット・SNS等の普及に伴うSM情報・パートナーマッチングの個人化、(4) 業界誌『SMスピリッツ』の段階的縮小と2014年休刊、等が挙げられる。

2010年代以降の業態構成は、店舗型(ダンジョン型)SMクラブが主要都市に少数残存する一方、デリヘル型派生として「SM派遣」「出張ドミナトリックス」が増加し、業態の重心が無店舗型へ移行した。海外においても、米国NYのスタジオ・ダンジョンの集約化、欧州諸国のフェティッシュ・パーティー文化への合流など、類似の構造変化が観察される。

店舗形態の類型

SMクラブは運営形態により、ダンジョン型(店舗型)と派遣型(無店舗型)、およびその折衷型に大別される。

ダンジョン型(店舗型)

雑居ビル等の一室に専用のSMルーム(英語圏ではダンジョン、dungeon)を構え、客が来店してプレイを受ける形態である。設備として、(a) 拘束・吊り用の天井ビーム・梁、(b) 拘束台(ボンデージ・テーブル、十字架型・X字型)、(c) 鞭・縄・蝋燭・電気プレイ機材等の専用器具、(d) シャワー設備、(e) 防音処理を施した複数の個室を備える。設備投資は店舗あたり数百万円から数千万円規模となり、業態の中では高額の部類に入る。

派遣型(無店舗型)

店舗を持たず、ラブホテル・ビジネスホテル等への出張形式でサービスを提供する形態である。風営法上は「無店舗型性風俗特殊営業」に分類される。設備の制約から、ダンジョン型と比較して提供可能な技法が限定的(吊り上げ・大型拘束台を要する技法が困難)である一方、店舗運営コスト・地理規制の制約が小さく、2000年代以降の主流形態となった。

折衷型

ダンジョン型店舗を本拠としつつ、派遣サービスを併設する形態。大手チェーン系SMクラブで採用される運営形式である。

役割と料金体系

SMクラブのキャストは、提供する役割により以下の四類型に区分される:

  • 女王様(Mistress、Domme): 女性のドミナント役。SMクラブ業態の中核キャストで、業界用語では「女王様」が定着している。料金は店舗ランク・指名料により60分2万円〜10万円超まで広い幅を持つ。
  • M嬢: 女性のサブミッシブ役。男性客のSキャラクター役のプレイ相手として在籍する。料金は60分1.5万円〜5万円程度。
  • M男嬢(エム男): 男性のサブミッシブ役。女性客または同性客のドミナント役のプレイ相手として在籍する。M嬢に比べると業界内での店舗数は少数派である。料金は60分1万円〜3万円程度。
  • 男性ドミナント(SM): 男性のドミナント役。女性向けまたは男性向けキャストとして在籍する場合があるが、業界内ではM男嬢以上に少数派である要出典

料金体系の典型的構成は、(1) 基本コース料金(60分・90分・120分等)、(2) 指名料、(3) オプション料金(特殊技法、複数キャスト、特殊衣装等)、(4) 入会金・年会費(会員制を建前とする店舗の場合)、(5) ホテル代(派遣型の場合)、により構成される。総支払額は60分プレイで2万円〜5万円、120分以上の高度なプレイで5万円〜15万円が業界平均である要出典

メディアとの連動

雑誌『SMスピリッツ』

東京三世社が1982年に創刊した月刊『SMスピリッツ』は、戦後日本SM文化を代表する商業誌として、SMクラブ業界の中心媒体として機能した。誌面構成は、(1) SM小説・連載(団鬼六、沼正三、ダーティ松本ら)、(2) グラビア(SM AV女優・女王様)、(3) 店舗紹介・広告、(4) 読者投稿欄、(5) SM文化評論、を柱とした。同誌の店舗紹介欄は、業界の集客と店舗評価のディレクトリとして機能し、業界統計の代替的データソースともなった。同誌は2014年に休刊したが、その編集アーカイブは現代日本のSM文化研究の主要史料として位置づけられる。

AV作品との連動

1990年代以降、SMをテーマとするAV作品市場の確立に伴い、SMクラブ在籍の女王様・M嬢がAV出演を通じてタレント化する経路が開かれた。SMクラブはAV女優のキャスティング供給源として、AVプロダクションは女王様タレントの集客装置として、相互強化的に機能した。代表的な系譜として、SM AV黎明期の谷ナオミ(ロマンポルノ出身)、1990年代の田中露央沙、2000年代の長瀬かなめらが、SMクラブ・AVの境界を往還する存在として知られる要出典

海外BDSMダンジョンとの対応

英語圏のSMクラブに相当する業態は、(1) 米国NY・LAのプロフェッショナル・ダンジョン(professional dungeon)、(2) ドイツ・ベルリンのSM-Studio、(3) 英国ロンドンのBDSM dungeon、(4) フランス・パリのclub échangiste(SM特化型)、等として存在する。

国際的特徴として、(a) プロドミナトリックスの職業的独立性が高く、フリーランス契約形態が一般的、(b) 性器接触の有無による業態区分が明確で、SM行為と売春が法制度上区別される国(ドイツ、オランダ等)では合法的に運営される、(c) コミュニティ主導の倫理規範(SSC/RACK)の浸透が日本より早く強い、等が挙げられる。これらの海外業態は、Pat Califiaの『Sensuous Magic』(1993)、Gloria Brame らの『Different Loving』(1993)等の文献により民族誌的に記述されてきた。

日本のSMクラブは、これら海外業態と比較して、(i) 店舗在籍制が強く、フリーランス・ドミナトリックスの市場が小さい、(ii) AV・成人雑誌との連動が強く、メディア露出による集客がより重要、(iii) 公式の届出を行う「店舗型性風俗特殊営業」としての位置づけ、等の独自性を持つ。

安全規範の浸透

SM行為は身体的・心理的危険を内包するため、業界における安全規範の確立は業態の存続条件である。英語圏BDSMコミュニティで定式化された SSC(Safe, Sane, Consensual: 安全・正気・合意)、RACK(Risk-Aware Consensual Kink: リスク認知の上での合意)の二大原則は、1990年代以降、業界誌・専門書経由で日本のSMクラブにも浸透した。

業界の慣用的プロトコルとして、(1) プレイ前のカウンセリング(可否事項の確認、健康状態の把握、アレルギー・既往症の聞き取り)、(2) セーフワードの事前設定、(3) 緊急停止の即時可能性の確保、(4) プレイ後のアフターケア(身体的・心理的回復のための時間)、(5) 衛生管理(器具消毒、感染症対策)、等が定着している。これらは個別店舗の責任ある運営のみならず、業界全体の社会的正当性の根拠ともなる。

緊縛等の高度技法を提供する店舗においては、神経・血流圧迫等のリスク管理に関する技術習得が、女王様・縛り師の職業的要件となる。1990年代以降、業界誌・専門書による技法の体系化が進み、安全に配慮した実践の基盤が整備された。

関連項目

参考文献

  1. 『SMスピリッツ』 東京三世社 (1982-2014) — 戦後日本SM文化を代表する月刊誌。SMクラブ広告・店舗紹介の主要媒体
  2. 中村淳彦 『日本の風俗嬢』 新潮新書 (2014) — 業態別労働実態にSMクラブの章を含む
  3. 中村淳彦 『ナイトワーク社会学』 新潮新書 (2018)
  4. 坂爪真吾 『性風俗のいびつな現場』 ちくま新書 (2016)
  5. Pat Califia 『Sensuous Magic: A Guide to S/M for Adventurous Couples』 Cleis Press (1993) — 英語圏BDSM dungeon文化およびSSC/RACKの一次文献
  6. Gloria Brame, William Brame, Jon Jacobs 『Different Loving』 Villard Books (1993) — 英語圏BDSMサブカルチャーの民族誌的記述
  7. 『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』 日本国法令 (1948) — 1985年改正で店舗型性風俗特殊営業の業態区分を整理
  8. 松井良彦 『緊縛の文化史』 青弓社 (2009)

別名

  • SM専門店
  • SMクラブ
  • BDSM club
  • dungeon
  • SMバー
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